酒呑みたちの夜
今日は早めに会社を出て、歯医者へ、と思ったら、消毒はちちちっと抜歯痕に苦い薬をつけただけで10秒で終った。なあんだ。
そこで向かいの酒場、漁へ。ここは酒呑みたちが集まる店だなあ、とつくづく思う。酒というのは、いろいろなものをひっくるめての酒というのではなくて、日本酒のことである。日本酒好きの店である。
だから常連が多い。ここに置いてある大抵の酒は呑んでしまったのだが、今日は隣の兄さん、その向こうの夫婦と、ちと高い酒を注文しては分け合って、利き酒のように味わった。
醸し人九平次(かもしびとくへいじ)純米大吟醸という酒は本当に凄みのある味がした。また十四代も二種類ほど、他、アルコール度数20度の秩父錦甕口酒などなど。最後は何を呑んでいたのかよくわからなくなったくらい、呑んで酔った。
いろいろな酒を呑みながら薀蓄を傾ける夜ほど楽しいものはない。最後は、店のバイト学生と自転車を並べて喋りながら、冷え込む夜道を帰った。真夜中の静まり返った道路だけがやけに印象に残った。