シュンの日記なページ

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そこは隠れ家ではなかった

 西新橋の隠れ居酒屋に会社の女性たちを引き連れて飲みに出かける。会社からはかなり遠い店なので、まさかとは思ったが、一番古いメンバーが来たことがあるとのこと。そのときも会社の女性スタッフたちと一緒に。但し、そのときは社長に連れられて……。
 社長がお気に入りの店だそうですよ。彼女は言う
 うーん、落ち着かない店を選んでしまった。一応きょろきょろと社長の姿を探したが、いないようだ。ほっとする。
 帰りがけレジで店の人に聞いたのだが、あら、もう随分永いこと社長はお見えになっていないですよお、との返事。たまには来て頂けるようにお伝えください。
 はいはい、と答えながら内心、伝えるものかと誓う。
 隠れ家を後に、帰りの電車で誉田哲也『武士道エイティーン』を読了。

 武士道エイティーン

 全体にまったりしていて、いつものような盛り上がりには欠けるが、珍しくも二人のヒロインたち以外にゲストとも言うべき三人ほどの独白の章まで間に挟まっており、だからと言ってそれらはエピソードに過ぎず、これは短篇集か、と不思議な構成に惑わされたりする。それでも、無事二人はそれぞれの遠く離れた高校を卒業し、大人の世界に一歩踏み出してゆくのだ。
 三部作はこれで終わりというけれど、大学ではなく警察に入り剣道を教えるという磯山香織あたりは、誉田哲也得意の警察小説にユーモラスな旋風を起こしてくれるかもしれない、などと、ささやかな期待を残す。うーん、終っちゃうとやっぱり寂しいのである。このシリーズ。