東京ブラックホール
不思議なことに乗った駅から座席が空いていて座れた。どことなく空いている印象のあるJR。家族連れが乗り込んでくる。彼らは隣に座り、東京駅で降りていった。降りる間際、新幹線だよお、と母親が子供たちをたきつけているのだった。でも、大丈夫なのだろうか。今朝の静岡地震で東海道新幹線は止まっているのだぞ。
帰りの電車も新橋で乗った途端にすぐに座れた。おかしい。
気づいたのは一日が終る頃だ。あ、そっか。今週は盆休みを取る人たちがいっぱいいたり、メーカーなんかは会社ごと休んだりしているので、仕事をしている人口がぐっと減るのだった。
前職で長いこと東京勤務をしていた頃は車通勤で仕事も外回り営業だったから、車が足であった。交代で休みを取るのだが、ぼくはお盆は仕事に専念した。都内に渋滞がないという奇跡的なブラックホールがこの期間だけ東京に現われるのだ。皇居の回りをあっという間に一周することができるので、あっけにとられる。道路を車が走っていないのだ。
そんな時期のことをすっかり忘れていて、今日は何故座れるのだろうかと超自然現象にのように思っていたぼくは、すっかり東京を離れて田舎人になっていたのだと思う。
今週はゆっくり家を出ようかな。