山の崇高に
学生時代の山の後輩が歓迎会を開いてくれた。こちらが山の関係に転勤異動を伝えるのが遅かったので、なぜか今頃になったのだ。
19時会社から歩いてゆける距離の店で開始してくれているのに、緊急の仕事などで、結局店に辿り着いたのは21時近く。でも、他のメンバーも似たようなもののようで、追っつけ残りメンバーもぼちぼち揃い出す。
山の話題は面白く、楽しい。振り返れば楽しいことばかりだ。
すっかりはしゃいでしまっている自分に気づく。みんな15年くらいは付き合いの途絶えていた後輩ばかりなのに、つい昨日のことのように山でのエピソードばかりが飛び出す。
そして驚くことに山のエピソードやディテールは、本当に皆がよく覚えており、記憶にしっかり刻まれており、それを追体験できるものばかりであるということだ。この共有感覚は大抵の場合あり得ない。よほど強烈な記憶なんだということが、こうして時間の果てから現われた男どもと再会すると実感としてわかる。
貴重な時間が本当にありがたかった。山の崇高に想いを馳せずにはいられない時間が。