鳥たちの朝景
朝はどんどんと何かを打ちつける音で目覚める。
朝食会場に出かけ、バイキングを食べ終え、朝の川原に集まる鳥たちの姿を楽しむ。ミヤマカケスがそこら中を飛び交う中、セキレイやアカゲラの姿が混じっている。写真はアカゲラ、シジュウカラ、ミヤマカケス、コゲラ。
どんどんという音は、餅つきの音だったようだ。つきたての餅で作られた雑煮や汁粉が配られており、一部は餡子を入れ粉をまぶして大福にして土産に持たせてくれる。
いい宿だ。おばさんが一人、寒い中腰をかがめ見送ってくれた。車に乗り、完全に姿が見えなくなるまで見送ってくれる。さぞかし寒いだろうに。ここの宿はいつもそうだ。
さらに、妻が電池の充電器をコンセントに差したまま忘れてしまったのだが、携帯に連絡があった。受取人払いでと進言したにも関わらず、「私どもは他のお客さんにも共通して送料は頂いておりませんので」との返答だったそうだ。サービスの心が素晴らしい。すべてに勝る要素は、結局そこのところなのだよな、と思う。
昼過ぎの飛行機までに時間があるので、裏摩周に回ったのだが、展望台への道路はまだ除雪されてなく、雪の壁に阻まれた。仕方なく開陽台にゆくと、ここも駐車場までは除雪されているものの、雪の上を歩いて展望台に辿り着く。
地球が丸く見える、というのが開陽台のうたい文句。しかしご覧の通り、地平線はまだ冬景色である。
中標津空港で、先に妻子が飛び立っていった。冷たい風が吹きぬける屋上で、西の空に飛び立った機影が点になってすっかり消えるまでずっと立って見送った。
羽田への便は、本州の悪天のせいか、少し遅れていた。道東の凛とした最後の空気を吸い込んで、搭乗待合室へと足を運んでいった。