シュンの日記なページ

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エ・オロシふたたび

 家族よりも早起きして、ゆきつけの医者にゆく。おじいちゃん先生は手術を受けて療養中、代わりに若い先生が戸惑いながらの診察。先生に会えなかったのは何だか残念。
 家に戻ってすぐに出発。丘珠まで車。ああ、通勤路だよ、ここ。少し前までの。
 丘珠からプロペラ機に乗る。飛行機まで歩いてゆくんだよ。
 妻子もまたプロペラの小さな飛行機は初めてのようで、うきうきしている。

  

 晴れて最高の飛行となる。右側、ずっと景色を見てゆけるプロペラ機の高度は、雲海の上に出てしまうジェット機よりもずっと低く、視界に映る光景は断然素晴らしい。んと、それに羽の上ではなく、羽の下に窓があるから、プロペラ機は全面的に下界が見える、という重要なメリットも欠かせない。

 写真は、阿寒岳で、噴煙を上げている様子が上空からもわかる。

  

 左側の窓で、妻が中島がある湖は何? カルデラ湖が凄いよ、と叫んでいるので、それぞれ屈斜路湖摩周湖であることを教える。

 中標津の役場や消防署が見え、そのまま空港上空を通過して、機はオホーツクの海へ、野付半島上空で旋回し、東側から中標津空港へ降り立った。風の強い中、とっても揺れての着陸だった。それでも、やっぱりプロペラ機は大好きだ。

 やはり同じ空港でも札幌とは空気の鋭さ、透明感が違う気がする。懐かしの中標津空港。丘珠と同じく、この空港にも前職では取引があって、管理室にはそのせいで何度もお邪魔している。

 

 空港でレンタカーを借り、まずは野付半島へ。飛行機と同じように、海まで行って帰ってくるのだ。

 でもその前に食事。中標津のラーメン屋で釧路の細麺を札幌風味噌スープに入れたというような焦がし葱味噌ラーメンを食べた。いわゆる北海道産の美味しいラーメンである。

 トドワラに来たのはもしかして新婚旅行以来? 両側に海が迫る長っ細い砂州アスファルトの道路。不思議な地形。近くに見える国後島。そしてチャチャヌプリ。迫力のある海の青に、強く冷たい風が容赦なく吹きつける、地の涯の光景とはこういうものを言うのじゃないのか。
 
  

 トドワラに着いたものの、寒くて散策路を行く気にもなれない。季節が駄目だね、と会話を交わしながら、ネイチャーセンターのような建物の中でぬくぬくとする。写真、剥製、双眼鏡からの景色などを楽しむ。白鳥たちの声が遠くまで響き渡る。日常生活とは切り離された不思議な時間。

 

 西に向かい、摩周湖へ。この季節はまだ、第一展望台までしか除雪されておらず、ここでゆっくり神秘の風景を楽しむ。流れ込む川も、注ぎ出す川も一切存在しない、閉ざされたカルデラ湖。湖面を湛えるまだまだ冬のグレーが強い摩周ブルー。

 

 

 雪の急斜面には何頭ものエゾジカが餌を求めて佇んでいた。

 

 養老牛温泉へ向い、ちょうど17時過ぎに湯宿だいいちへ到着。

 部屋はロフト付きで一階部分は洋風リビングと和風リビング。息子と二人でロフトを占領。天窓があり、川に向けて窓が広く、朝が楽しめそうだ。

 

 まずは道内トップクラスの野手溢れる露天風呂。息子と風呂から風呂へと旅を続けるうちにあっという間に夕食時間となる。

  

 

 川に接するかのようなこの温泉は何度来てもたまらない。

 夕食の目玉はヤマベ料理。この日も甘露煮、活け作り、塩焼きと楽しんだ。量が多すぎて喰いきれない苦しみに身悶えする。ふうう。

  

 

 その後も、息子とふざけあったり、また風呂に入りに行ったりと、久々、家族水入らず、北海道、そして真冬の光景を楽しんだ。まだまだ雪が残り、きんと張り詰めた冷気が森を覆っている。

 消灯し、眠ってからも、毎夜のように訪れるというシマフクロウの姿を闇の中に求めて、窓辺に上体を起こす。そこには永遠に続きそうなせせらぎと沈黙しかなかった。眠気に負けて、シマフクロウの来るという2時頃は睡眠中、次に起きたのはもう4時で、シマフクロウは立ち去ったかに思われた。何だかなあ、と悔しがりながらまたも床に身を沈めてゆく未明の朧、である。