ヒビヤ・フットサル・コート
たまには会社の外で独りで気楽にランチでも、と出かけると、思いがけず記憶の彼方にある風景に出くわした。ヒビヤ・シティのフットサル・コート。こんなに近所にこの場所があったのか。
昔、ビア・ガーデンのシーズンの日曜日の午後。このコートでフットサルをやったことがあるのだ。まわりでビールを呑んでいる人を尻目に、コートの中で滝のような汗を流し、ビルの冷房のなかに逃げ込んで涼んだ。いつものサッカーメンバーで大勢で駆けつけて、たまには目先を変えようと、ビアガーデン主催の試合か何かに応募したのではなかったか。
今日は、冷たい雨が降る二月。たまたま迷い込んだところに、そのときのフットサル・コートがあり、びっくりした。少し寒いのだが、それでも昼時とあって何人かの客が、サンドイッチのオープン・カフェで腰を下ろし、誰もボールを蹴る人とてない空っぽのフットサル・コートをぼうっと眺めているのだった。
ああ、驚いた。過去が甦った感じだ。そんな思いを胸に、見慣れぬレストラン街へとガラスドアを押して入っていった。