シュンの日記なページ

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都会の孤独

crimewave2009-02-25

 東京への毎日の通勤のなかで、とても戸惑うことがある。
 東京の人たちのマスク着用率の高いのはなぜ? 
 それも昔はマスクといえばガーゼだったのに、今は、紙マスク。手術室とか、そういったところで使う印象のある紙マスクは、実は、昔、それらを売る側だったので、性能、その他非常によく知っている。保湿性だけ言うならば、ガーゼマスクの方がよほどいいのになあ。
 また、東京の人たちはなぜ、霧雨でも傘をさすのだ? 傘なんか、腕を上げるだけかったるいし、大して濡れないのなら、むしろ邪魔だろう。
 昔、イギリス生活の長かった知人に、イギリス人は傘をささないですよね、と言ったら、なぜ知っているんですか? と驚かれた。だって、イギリスの小説の主人公たちは、雨が降ればコートの襟を立て、帽子を深くかぶるだけじゃないか。シャーロック・ホームズみたいに。ジャック・ヒギンズの主人公たちは、雨をこよなく愛し、その中で濡れることが好きだったりするじゃないか。そんなことは、小説を読んでいるだけでもよくわかる。
 北海道の人はあまり傘をささない。凄い雨だというのに、傘もささない高校生の姿なんてざらに見る。ぼくは北海道でも、北海道へ行く前でも、あまり傘をささなかった。傘が嫌いなのだ。腕時計と同じように。
 だから駅を降りるなり、みんなが一斉に傘を開くというのが、どうもよくわからない。本当に霧雨だし、例え本降りになって少しばかり濡れたところで、ちょっとの間くらいいいじゃないか。すぐに乾くのに。
 東京の人たちは、皆耳に白いコードの先を突っ込んで、その隙間からシャカシャカした音を漏らし、まわりの人を不快にさせる。音楽を聴きたいのはわかるけれど、なぜあんなに多くの人の前で音楽を聴きたがるんだろう。それも誰も彼も。
 東京の人たちは、なぜ大の大人でもゲーム機を電車の中で持ち出して遊んでいるんだろう。いい年をした大人が、恥ずかしくないのだろうか。他にやることがないのだろうか。
 とにかく東京の人たちはみんなで同じことをしがちだ。個性がない。東京には本社が多いから、内勤者が多いのだろう。車を運転して外を歩き回る地方の支店、営業所のアクティブな肉食系の人間とは違う、本社のおとなしい内勤者が満員電車にいっぱい乗っているのだと思う。そういう会話ばかりが耳に響く。
 漁師町の荒々しさや、田舎の飾らない会話があまり聞こえず、距離を置いた敬語の会話ばかりが耳に入る。ああ、そういう内勤者の群れに投じられた、ぼくは肉食の地方人みたいで、とても孤独であるように感じてしまう。
 これが二月からこちらに来て日々を暮らすことの印象である。