デリケート
シェーバーがうんともすんとも言わなくなる。
先週、出張に出る朝、水洗いしたのだが、ウォッシャブルなのは刃先の部分だけだったみたい。その前の機種がブラウンのアクアというもので完全防水だったから油断したのだ。
宿についたら、液晶のなかに水滴が表れていて、肝心の表示は消え、スイッチが入らない状態になっている。
とにかくコンセントに繋いで充電をしたのだが、何だか本体が熱くなってこれこそ壊れたかと思った。
しかしそれはやがて、どういうわけか甦る。液晶表面の水滴も少なくなっている。でもやがてまた熱くなる。これは駄目だ、と思ったのだが、コードを繋いだままなら作動するので、朝方普通に髭を剃ることができた。松前のこの温泉旅館では、髭剃り自動販売機からなら300円もかかるところだったのだ。
そして翌日、函館駅前のビジネスホテルに投宿すると、今度は、シェーバーは、普通に直っているではないか。なあんだ。と普通に髭を剃り、家に帰る。
液晶画面がふたたびすっかり掻き消えてしまったのは、今朝のことだった。シェーバーは作動しないばかりかコードに繋いでも熱くさえならない。これは駄目だと、諦めて急いで二枚歯の安全かみそりを当てる。久々にシェービングフォームを使ったが、十分に暖めていないので、痛いこと、痛いこと。
しかし、壊れたり、直ったり、また壊れたりと、デリケートすぎないか。
かく言うぼくが防水でもない家電製品を水で丸洗いしようとした方が、デリケートさに思い切りかけていたのかもしれないのだけれど。