チョタ渓谷から来た男たち
今日は、クラブ・ワールドカップ決勝戦。南米王者が何とエクアドルのチーム、リガ・デ・キト。マンチェスター・ユナイテッドを相手にほぼ互角の勝負を終始演じ続けたこのチーム、四人はチョタ渓谷の出身だと言う。アフリカ移民の入植者たちによる貧しい村チョタ渓谷は、エクアドル代表のプレイヤーをなぜか何人も輩出しているのだそうだ。
アンゴラ人、アンデス文化などという言葉がゲーム中、アナウンサーの口から何度も飛び出す。チョタ渓谷はアンデス民謡とアフリカ民俗音楽の混交したボンバいう音楽でも、とても重要な要衝になるようだ。
そんな渓谷から日本にやってきて、今、生中継で、質の高いサッカーを見せてくれていると思うと、心に何か知らなかった栄養分が注入されているような気持ちになってくる。
本日、湊かなえ『告白』読了。病める若者たち、親子の問題、などなどを主題にしたミステリーだが、『ファミリー・ポートレイト』を読んだ後では、だいぶいろいろなものが小さなサイズに縮小してしまったように見える。この作者には不運であった、としか言いようがない。優香が「王様のブランチ」で絶賛すると売り上げが伸びるとか(宝島社「このミス」座談会より)。この本はその恩恵に預かって瞬く間に増刷を繰り返したようである。このミス4位に値するかどうかは、正直、疑問です。桜庭一樹が悪いのだ。