サッカー文化のない街で
先日、行きつけの居酒屋で、コンサは大分をモデルにして、よいところを模倣すべきだと息巻いたのだが、いっときコンサ・サポを明言していたはずのマスターは、コンサは金がないのだから無理だ、と言い訳をする。今、居酒屋は一体となって日本ハム・ファイターズを応援する空気が強く、コンサなんてどこかに行ってしまった感じだ。
大分はコンサよりもよほど金がないチームであり、コンサ以上に東京から遠いところにある。その大分が都会の真ん中にある国立競技場の表彰台でナビスコ杯のカップを手にして歓喜している姿をテレビで見ながら、ぼくは心の中で叫んでいた。
ほらみろ、マスター、君たちが応援をやめたチームと、最初からずっと地元の人間が応援を続けているチームとの選手のやる気の違いをまざまざと、今ここで見せつけられるがいい。チーム作りということを諦めてしまったサポーターが札幌にひそんでいて少しも会場に脚を運ばない地域には、サッカーはこのまま育つことなく、いつまでも野球時代が昭和のように永遠に続くのだろう。
来週は、レッズ対コンサの試合が札幌ドームで行われる。埼玉のレッズ・サポ仲間たちが大挙して押し寄せる。リーグの行方もあるが、それ以上に観光旅行を兼ねたお祭りのムードが強い。一時的に札幌にサッカー・ファンが急増する週末となるだろう。