シュンの日記なページ

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写真工房「Station」2008

 ようやく展示時間内にやってくることができた。いろいろな作品が、出展者たちのてんでに思い思いのかたちで展示されている。Tシャツに小さな写真をはりつけたものや、鉄道レールを模したデザインの上に貼り付けたもの。アルバムをどうぞめくってください、というメモとともにまるまる残したものや、段ボールの切れ端にわざとだろうずれた貼り付け方をしたもの。鋏で紐に吊るしたものや、綺麗な額縁を用意したもの。何の飾り気も泣くただ写真を数点置いただけのもの。
 

 momozoさんの写真は、二枚だけ。人の行動や表情を通して、人の裏側を暗示させる写真が多いのだが、塩屋駅という古くて高台にある無人駅は、いい題材ではある。
 塩屋駅は山と谷に挟まれているが、その高さを夜汽車がとおるとき、先日訪れた雄飛館のリビングの窓からは、まるで銀河鉄道のように見えると言って、民宿の客たちは喜んだと聞いた。塩谷の伊藤整文学碑の下に弔った故人は、筋金入りの鉄ちゃんであった。民宿も十数年前に営業を終えていたが、湾の高台にある家の窓から、海や鉄路を見上げる風景は昔と少しも変わっていない、と昔常連客だった人たちは、懐かしげに話したものだ。
 小樽マリンロードでの写真工房では、写真に眼を凝らすのは年輩の人たちが多い。どの写真も駅という題材に集中する時、どうしてもレトロな空気をもたらす。自動車や道路では、なかなかそうはいかないだろう。鉄路だけがもたらす、少し鄙びの空気、セピアな色合い、生活のにおいのする陰影、などなどが、時間の重みを知る年代の人々の心を惹きつけているようだ。

 若い人は、十分に年配者たちの心を捉えることができるという、一つの証左。