失われゆく音楽たちへ
世界は前へ前と走り続けるので、置いてけぼりを食う音楽が時間の足跡に沿って残されてしまう。
今日は、ハードディスクレコーダーに残された一年前のライブを視聴。長谷川きよしと椎名林檎のコラボ。二度目に見る一年目のライブだが、感動! 思わず長谷川きよしのオフィシャルサイトにアクセスしたのだが、昨年のようは北海道ツアーはどこにも予定されていない。見たいなあ。聴きたいなあ。
その後、ボニー・ピンクを視聴。このときは綾戸智恵とのコラボ番組だったのだが、録画に失敗、ボニー・ピンク・ソロ・ライブ部分しか録画していなかったのだ。思えば、贅沢なコラボだったのに。ぐすん。
さて、長谷川きよしと加藤登紀子のコラボ・ライブを大学生時代に愛聴していたのだが、これは当時つきあっていた女性の弟のディスクで、自分では持っていなかった。今ではネットのどこを探しても見つからない。
今日見た録画では、綾戸智恵が尊敬するボーカリストは加藤登紀子だと、ボニー・ピンクに語っていた。力を入れずいきなり彼女が歌い出せば、途端に知床の海や百万本の薔薇が見えてくるというのだ。
長谷川きよしと加藤登紀子の探し出す物寂しい貧しい国の歌たちも、そう言えば世界のはずれの光景を垣間見せてくれたものだった。ぼくはそれらの歌をコピーして(長谷川きよしの超絶ギター・テクまではコピー不可能なのではなから諦めたけれども)、いつまでも心の中にその歌をとどめている。
でもそれらを今、聴くことができないのが残念である。
とは言え長谷川きよしのアルバムが四枚ほど復刻されることになったらしい。サンバのライブ・アルバムは何度も彼のライブに立ち会った経験上、きっと親しみやすいものだろうと類推される。発売の9月が近づく頃には是非とも手に入れてみようと思う。