船旅支度
明日からいよいよ帰省旅行独り旅。
とは言うものの、明日はきちんと仕事デイなので、旭川を往復してこなくてはならない。その後、札幌に戻り、夕方会社を退けて、パジェロで苫小牧東港に急ぐ。19:30に出航する秋田行きのフェリーに乗船するのだ。
忘れ物はないだろうか、と夜中になってからそわそわ。いろいろなものを片付けたつもりではいるけれど、パジェロになんでも乗せてしまえばいいやとの気楽さから、つい失念しがちになるあれやこれや。
宿泊を引き受けてくれる友人も決まったし、夜の呑み会なども設定してもらったみたいだし、後は黙々と、父の命日、母のいる老人ホーム、弟の眠る墓、誰も住むことのなくなってしまった実家などを、順繰りに訪ねてゆくだけだ。
家族はいつかは解体し、家も風化する。新しい家族が生まれ、新しい家に住むが、それらもいずれ同じ歴史を辿る。失っていけないものは、『ザ・ロード』に書かれたような、子に伝え、子が受け取ってゆく何かであろう。そんな思いを鞄に詰め込んで、さあ、今年のぼくの夏休みが明日、始まる。