青肉メロン
昔、北海道に来たての頃、国道40号沿いの和寒という辺りで、メロンが一玉五百円で売っていたから、青肉と赤肉とを両方家にかって帰ったことがある。そのとき食べ較べてみて、我が家では青肉のほうが断然美味しいという結論に達した。
しかし贈答品として歓ばれるのも、茶菓として供されるものも、大抵は赤肉メロンである。赤肉メロンは、夕張メロンに代表され、食するときにブランデーを垂らすことがあるとも聞く。
いずれにせよ、そうした世間の価値とは関係なく、我が家は青肉メロンがやっぱり美味しい。
だから、先週後半の出張先である富良野のもぎたて市で買い込んできたのは、当然ながら青肉メロンである。赤肉メロンはもぎたて市では千円以上の正札がついており、断然高い。客人が土産用にと宅配便で送ったのは赤肉メロン五個詰めであった。でも、ぼくは五百円の青肉メロンを買い込んで帰る。
すぐに食べることができるようにと、少し熟れ気味のものを買い込んできたので、帰りの車の中はメロンの香りが漂ってとても芳醇な感じ。
さらに一日寝かせて、今日はメロンを頂く。冷やして切って皿に盛られたメロンは、やはりそれだけで美味しそうで、食べてみると、やっぱり季節の香りに満ちているのであった。やっぱり青肉メロンだね、と我が家は地味な方のメロンを絶賛するのであった。