シュンの日記なページ

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夢のなかの巨大ゴミ処理施設のこと

crimewave2008-07-15

 書類ゴミを廃棄しに、市の指定清掃工場へ出かけた。
 入口で車の重さを量り、自分でゴミを捨てると、出口で、もう一度車の重さを量り、その重量差で排気量の値段が決定し、そこで料金を支払う。廃棄業者に頼むよりよほど安いし、機密書類を安全に廃棄することができるので、ぼくはよく利用するのだ。
 かつて、引越しを多く繰り返していたぼくは、あちこちの清掃工場にゴミを持ち込んでは捨てていた。それこそ、当時はリサイクルの考え方が皆無だったか、あったとしても大変ぬるかったのだと思う。家電製品などもどんどん、熱を放つ巨大焼却炉のなかに直接投げ込んでいた。窓用エアコンを放り投げたら、大きな音を立てて、堆積物の上を転がり、赤い熾のような火の色が残る底の方に着地したのを覚えている。貧乏な独身時代のことなので、人からもらったエアコンだったとは言え、まだ使える家電品をゴミの山に投げ込むことに、未だに罪悪感の記憶を拭い去れずにいる。
 今では、もちろん燃えるゴミしか処分できないし、焼却炉の部分は鉄扉で閉じられ、投げ込む場所にも安全のためにチェーンがめぐらされている。あの、『傷だらけの天使』最終シーンの夢の島のような荒涼もなければ、スティーヴ・マックイーンとアリー・マクグロウがトラックから排出される『ゲッタウェイ』のゴミの山の凄惨も、存在しない。清潔で、管理され、配慮の行き届いた施設になっている。
 そう言えば、巨大なゴミ処理場がいつも夢に出てくるので、それはどこのことなのだろうか、と悩んでいた一時期がある。そのゴミ処理場をある機会に発見し、現実にそれが存在したときに、ちょっと不思議な気がしたものだ。その夢は、広々とした大地、曇り空の下、いつも寂しく荒涼とした気配に満ちた、とても辛い種類の夢であったのだが、現実に存在するそれに似た地形は、からっと晴れた青空の下、とても明るい雰囲気を湛えて、人の夢のことなど全然関知しない、という態度で、悠然と、広大な敷地を占有し構えているのだった。