お湯のない生活

　久しぶりに札幌で地震。震度2くらいなのだと思うが、関東に住んでいた頃はなんでもなかったのに、こちらでは滅多に地震がないから、はっきり言って怖い。釧路の人間と話すと、震度4くらいでは話題にもならないらしい。家具は全部壁に固定されており、そういう固定具がホームセンターで沢山売られているのだそうだ。固定に関わらず怖いものは怖いと思うのだが、馴れてしまえば何でもないのか？
　海堂 尊『螺鈿迷宮』読了。医学界というより、医療の世界を通じて日本の保健福祉制度そのものの欠陥を思い切り露わにしているような内容である。問題提起小説というような堅苦しさはなく、明るい出来損ない主人公が、魅力的女性たちに囲まれて冒険する素晴らしい冒険小説である。やっぱりこの作家の本は全部読もう。

　

　夜、いきなり灯油ボイラー壊れる事件が我が家で勃発。給湯が不能状態となる。風呂に最後に入るぼくは、減った湯船からお湯を掬い出して頭を洗った。手桶を往復させて髪をゆすぎ、その後目減りした浅い湯船に使って、温まり切れないでいる自分が、何だかとても侘しい。