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カミュの手帖

 なんだかんだ言って、いつの間にか、『桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ』を読んでしまった。日記なので最初は入りにくかったが、どの日記も短篇小説だと思って読むようにしたら、なかなか楽しい。ディテールを愉しむということに徹すれば、雑文もまた楽し。
 というわけでこれを読み終えたのが、明け方の3:30。思い切り睡眠不足の月曜日、しかも年度末のむちゃくちゃ忙しい一日とあいなったわけだ。
 でも帰ってきて、本をもう一度ぱらぱと繰り、あっという間に書評を書き上げる。楽しい本は書きやすいのだ。
 そう言えば、日記ではないけれど、昔、高校時代かな、アルベール・カミュに夢中になった時代(おかげでフランス語学科を受験し、入学しちまったよ)、『カミュの手帖 第一巻 太陽の讃歌』『カミュの手帖 II 反抗の論理』という文庫本を何度も何度も読み返し、気の利いたモノローグはノートに書き写して、意味をとことん考えたりしたものだった。特に『太陽の讃歌』って、ピンクフロイドポンペイ・ライブで見た『太陽讃歌』の印象が強くって、でっかい銅鑼の映像とともに、何となくカミュ・イメージを脳内に作り出していたものだ。

 銀色の新潮文庫のカバーも眩しかった。ぼくの行っていた書店は、大宮ステーションビルの中の本屋だった。何せ通学の帰りに良く立ち寄り、本を買った。銀色の表紙と言うことでは、『革命か反抗か カミュサルトル論争』なんていう本にも夢中になった。サルトルの本は確かクリーム色っぽい表紙だったから、もう色でカミュが勝ったよな、などと幼い心は喜んだりしていた。背伸びした時代だったのだよ。

 カミュの手帖〈第1〉太陽の讃歌1935-1942 (1962年)
 カミュの手帖〈第2〉反抗の論理 (1965年) ←反抗の「論」理だってば! amazonのアホ!

 革命か反抗か カミュ=サルトル論争 (新潮文庫) [ 佐藤朔 ] 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争 (新潮文庫)

 さて『カミュの手帖』は、未だに読み返して楽しい本でもある。

 「人間は、自分で考えたものになってしまう」

 今では、上の文章くらいしか、覚えていないけれど、この本は本当に作家のメモ書き、みたいなものを文庫本にした滅茶苦茶な構成の代物であった。やっぱり雑文は当時から楽しかった、ということなのだろう。