操舵手、交代

　あまりにも暗い船出なので心配していたのだが、今日いつの間にか操舵手交代の記者会見が開かれていたのではないか。オジェクが解任され、何とゲルト・エンゲルス・コーチが就任！　オジェク政権の場合はいつもコーチで持ってる、と言われてきたものなあ。95年シーズンもフリントさんがいいんだよな、と専らの評判だった。ゲルトさんは、Jで立派に監督経験を積んできているのに、こんな場合にコーチなんかやってる場合かよ、という気もしていたが、これでどうやら、選手たちの気持ちもサポータたちの気持ちもすっきり晴れやかになりそうだ。
　少なくともわけのわからない選手器用や、選手の心に傷を残すような交代はしないであろう。傷といえば、思えばギド・ブッフバルトをベンチ・スタートさせるという屈辱の駒場・ガンバ戦、後半起用されたギドが鬼のようなプレイで圧倒的な逆転をかっ攫った迫力は忘れない。レッズの選手たちも一人一人があれほどの誇りと怒りをピッチで示せたなら、監督がオジェクだろうが横山だろうが、勝つ時は勝つんだと思う。操舵手というのは技術的な舵取り以前に、選手のそうした心の強さをアジテートする能力なんかも必要なんじゃないのだろうか。
　いずれにせよ、人柄では定評のあるゲルト監督、一丸となって応援してあげたくなる気持ちには変わりない。自分がそう思えるというだけでも、大進歩である。藤口さんと中村さんが速攻で決めたという雰囲気だが、こういうところにもレッズの強みがあると思いたい。