銀幕の老兵たち
早川書房の新刊案内が届いたのだが、『ランボー 最後の戦場』というのが気になる。もともとはデイヴィッド・マレルの『一人だけの軍隊』という作品が小説として成功し、このランボーはラストで死んでゆくのだが、映画化されて当時乗りに乗っていたシルベスター・スタローンが演じるに当たって、俳優の「最強」イメージを払拭し得ず、続編が次々と出て行ったのである。
マレルの文庫本も次々と続編の映画化に合わせて翻訳されたが、全然マレルらしくなく酷いありさまだった。マレルによるノベライゼーション、だったのだろう。
今回の新刊は、それに較べるとずっと正直で、当のスタローン、他による著作となっている。スタローンはどうせ原案で、無名のライターによるノベライズなんだろうが、スタローンがロッキーに続き、このシリーズも終らせてしまう、というところが、映画的にはエポックなんだろう。
スタローンもショーケンも、まだまだ俺は映画人なんだと踏ん張っている。銀幕の勇士はそのくらいじゃないと務まらないのだろう。