シュンの日記なページ

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北国の窓

 大掃除らしきことはあまりやらない。昔、自分が扶養されていた頃、大宮の実家では必ず窓掃除をしていたことを思い出す。当時サッシではなかった木枠のガラス戸を外しては、ガラス・クリーナーを使ってとことん拭いたものだ。外して庭で拭く、という文化であったと思う。

 今、その後30年以上を経過し、ぼくが住んでいる札幌の賃貸一戸建ての家は、窓ガラスはサッシの二重窓がわずかで、あとはちょうつがいで開くタイプの小さな窓ばかりだ。しかも断熱構造の二重ガラスだし、今のこの季節に窓を開けるのはとても不自然だ。灯油ストーブで必死に暖めていなければ住んでいることのできない氷点下の雪国生活では、晦日の大掃除だと言って、庭に外したガラス戸を並べてクリーナーで暢気に拭いたり、畳を上げて日干ししたりするなんていう真似は絶対にできないじゃないか。

 だから札幌に移り住んでからは、晦日の大掃除と言っても、日頃手の届かない部分のあれこれを拭いたり、掃除機をかけたり、普段はあまり捨てようと思わない不要物を思い切って捨てることくらいしかやることはあまりない。

 それでも今年は息子が部屋を少し大きめのほうに移したいという願いを聞き入れ、部屋引越しをやってみた。それだけでも大きなごみがいくつも出た。どれもが小学生時代から溜め込んだガラクタに近いものばかりで、そういうものを捨てるとき、父親のぼくですらどこか寂しく切なく思うのだから、本人の心の中はもっと覚悟が要っただろう。幼い頃の思い出の品はどんどんなくなってゆき、息子は年々大人に近づいてゆこうとしているのだ。