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ホテル・ルワンダ

crimewave2007-09-07

 微熱の残る中で見たが、少しも眠気に持ってゆかれることがなく、緊張感がずっと続いて、むしろ疲労感の途切れぬ危機的状況(地獄と言い換えてもいい)が続くルワンダの虐殺。フツ族によるツチ族の大量虐殺は、むしろホロコーストと言ってよく、自らはフツ族でありながらツチ族を1200人以上ホテルにかくまい続けた支配人ポール・ルセサバギナ(実在)は、シンドラーみたいだ。事実、ルワンダシンドラーと呼ばれる彼は、撮影直前に監督ともどもルワンダを再訪した時に、英雄扱いだったという。

 日本ではこの映画の買い手が着かず(営業上採算がとれない映画と判断されたのだ)、『ホテル・ルワンダ』日本公開を応援する会の発足により、ようやく日の目を見た経緯があるところに、映画の作中人物たちが何度も繰り返すセリフ「救援は来ない、所詮、遠い国の他所事だ」「われわれはゴミのように世界から見捨てられた」と通底する世界の冷酷が見え、何とも地球の絶望を色濃く感じさせる。誰もが事実を見つめなかったために、100日間で100万人が虐殺された。まさに人間の魂を根底から震撼させる物語であり、そこで1200名の避難民たちの命を救ったホテルマンのかけがえのない勇気の物語である。凄絶な作品には、ニック・ノルティジャン・レノも出演しているが、彼らの無力こそが何よりも痛々しい。

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