シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

事件に遭遇するということ

crimewave2007-08-29

 札幌では事件に遭遇するケースが、割と多いのかもしれない。以前、近所のコンビニに盗難車を突っ込んで逃げたという事件があった。日曜日には、パトカーが二台近所の家に並んで、何か事件があったらしいムードをかもし出していた。

 そして月曜日の夜には、帰宅する道すがら、東区のアパートで救急車が二台、二つのストレッチャーをアパート前の空地に並べ、それを野次馬たちが二十人くらい囲い込んでいて、道路も片側が封鎖されていた。何台ものパトカーの緊急灯がその光景をカラフルに照らし出し、ああ、CSIみたいだな、などと不謹慎な好奇心だけを露わにしてぼくは家に帰る。

 新聞でその辺に事件があったかどうか確認するのは翌朝だ。若い女性をアパートの住人の中年男が監禁し暴行に及ぼうとしたところ、近所の住人から警察に通報され、犯人は首を吊ったということだった。被害者の女性は後ろ手に手錠をされ、それを見ていたのか? 男は意識不明の重体。警察は大人しく死なせてやらず助け出しちゃったらしい。詳細は不明。男と女は知り合いではない様子。それが朝刊。

 夕刊では女性からの供述が取れたのだろう。町の中心部でスカウトの振りをして車に連れ込まれ、玩具の拳銃で脅かされて住居に連れ込まれたらしい。そんな内容がわかってみれば、まあ、今の愛知の女性ストーカー監禁殺人事件の方が派手派手しい。

 ただそんな事件に遭遇したことがあるか、知人にいるかどうかという話題になった。ぼくは小学生の折り、友人が狂人に追い回され三度も鉈を振るわれたという恐ろしい事件を知っている。向うから勝手にやってくる見も知らぬ犯人や、巻き込まれ型の事件ということほど、怖いものはない。仕事場ではそんな女性たちの話で一瞬賑わった。でも、さすがに殺害された、というところまではなかなかないな、というのが多くの感想だった。ぼくの鉈を振るわれた友人はまだ今も健在である。ある程度障害は残ったのだけれども。

 ミステリー小説というのが、いかに多くの殺人事件に巻き込まれるものなのか、そうした感覚で捉えてみると、一つの殺人ですらなかなか遭遇し難いものなのに、二度も三度も、しかも犯人は違う動機でまったく別の殺人事件、という風なものに巻き込まれる確率が如何に少ないかは想像に難くない。だから時に、あまりに多くの殺人犯が同時発生的に出現する小説を読んでいると、その不自然なまでの確率論にやっぱりどことなく違和感を覚える。それでも違和感を覚えない小説というのは、ジェイムズ・エルロイくらいであろうか。あの人の入り込んだ時代の暗闇では、死人うあ殺人鬼がいくらうようよいても不思議ではない気がするからだ。

 ブラック・ダリア コレクターズ・エディション 2枚組 [DVD] ブラック・ダリア コレクターズ・エディション 2枚組 [DVD] ブラック・ダリア (文春文庫) ブラック・ダリア (文春文庫)
 アメリカン・デス・トリップ 上 (文春文庫 エ 4-13) アメリカン・デス・トリップ 上 (文春文庫 エ 4-13) アメリカン・デス・トリップ 下 (文春文庫 エ 4-14) アメリカン・デス・トリップ 下 (文春文庫 エ 4-14)