健康ファクトリー

　健診の日には自分が一本の管になった気がする。胃を空っぽにしたところにバリウムを注ぎ、そいつを午後には下剤で水鉄砲のように発射する仕組みだ。システマティックに進んでゆく健診メニューに並ばされていると、自分が工場の部品になったような気がする。最近ではそうした無意味な悲観を避けるために本を持ち込んで、待ち時間のすべてを読書に傾倒するよう自主防衛している。

　医師の診察によれば、体重が落ち、血圧が落ち、状況はよいのだが、心臓がまだ少し大きく膨らんでいる部分、張っている部分などがレントゲン写真から伺えるので、さらに軽度の運動や食事に気をつけることにより、体重を落とし、血圧を落とし、心臓を小さくしようというアドバイス。血圧降下剤や通風薬などは極力飲まないほうが肝臓の負担にならないだろうとの意見も。ドクターによって言うことがだいぶ違う。

　視力は昨年から全く落ちていなかった。やや遠視加減を少しだけ感じ始めている今日この頃、暗い部屋での読書にはやや不便を感じるが、当面の生活は順調に問題なく過ごしてゆける健康状態と言えるか。

　15時間以上何も口にしていない空腹を、早速、カツカレーなる高カロリーランチで鎮めてやった。これもまた、快感！