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突然の鉄槌

crimewave2007-06-06

 今日の正午近く、介護業界にいきなりの激震が走った。

 コムスン厚生労働省からの突然の鉄槌が振り下ろされたのだ。それもすべてを叩き潰すような鉄槌が。

 それを予期していたのか、あまりにも早すぎる子会社への事業譲渡。この薄汚い逃げ方もコムスンらしいと言えば、らしい。グッドウィル・グループは今日の午後だけで一割以上も株価が下がり、コムスンに売り掛けを残したメーカーは顔色を失った。

 私が帰郷した折に、母のために作られたケアプランを見たときに、コムスン訪問介護が一部供給されているのを見て、とても嫌な気がしたものだった。コムスンの介護スタッフは扱いが悪いため、すぐに転職し、組織に居つかないのだ、とか、ケアマネがノルマ制で動いているのだが、介護保険をここまで金儲けに利用してしまっていいものか、とか介護事業としてのモラルがコムスンに対して問われていたのは、何も今に始まった話ではなかった。

 虚偽の人員配置により不正受給とみなされたコムスンの事業所が、指定取り消しを受ける直前に廃業届けを出して処分を逃れ始めた。悪辣なやり方に、今度ばかりは厚労省も黙ってはいなかったというわけだ。

 今後考えられるのは、コムスンからの利用者離れ、コムスン職員の離職だろう。また都道府県、市区町村の担当部署は、コムスンの代替事業所を大慌てで探さねばならなくなる。

 北海道の小さな市や町村には、民間事業者がほとんどなく(経営が成り立たないのだ)、社協による官製のサービスがほとんどだ。デイサービスがない場所も、グループホームがない町もある。なのでコムスンがそういうところに落下傘のように舞い降りては、採算性の宜しいサービス事業所を、雨後の筍のように作ってゆく。小さな町と大企業は、いわばゼネコンみたいに、持ちつ持たれつの関係だったのだ。官が甘やかしたのがコムスンという化け物会社であり、国民の血税を吸収する最も合理的なシステムをわざわざ自治体に呼び込んでは、無駄に町民たちから巻き上げさせる仕組みを自治体の行政が自ら供給していたことになる。

 介護難民の急増は、必須だ。国の政策が間違った方向に走ったため、それを正そうと荒々しい鉄槌を振り回したのはいいが、鉄槌はコムスンばかりではなく、多くのものを余分に壊してしまうだろう。そこまで化け物にしてしまった行政の民間頼りの、自立しない体質にこそ問題があると常々感じているのだが。