シュンの日記なページ

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スポーツ日和、母との電話

 内勤の一日だ。外は絶好のスポーツ日和。

 夕陽が綺麗で、雲ひとつない。18時45分ちょうど。「今日は、これで帰るよ」と部下に言う。「明るいうちに帰りたい」

 本州よりもずっと昼が長くなる北海道の初夏。こんな夕方を満喫しなければ嘘だ。特に慌しく飛び込んでくる雑多な業務や気が重くなる山ほどの電話、メールなどの後では。

 夜、またも埼玉の母から電話がある。アメリカの叔母が北海道にも行きたいとか言っているから気をつけなという内容だ。「兄妹の家に滞在してあちこち遊び回っているらしい。私たちに会いたくて来たんじゃなくて、遊びにきたんだよ」何を言っているんだ、母さん。さんざん世話になった叔母だ。しかもアメリカから人生最後の帰国旅行のつもりで来ているんじゃないか。母さんとだってさして歳は違わない。ぼくとしては心から歓迎したい。

 「私のところには数時間しかいないくせに、車でどこかに連れて行ってくれる旦那のいる妹の家には十日も滞在しているんだよ。お前のところにもやってきて車でどこかへ案内してくれなんてきっと言われるよ」なんだ、もっと母は妹にいて欲しかったんじゃないか。北海道の我が家に永く滞在されたり、ぼくが車で叔母を手ごろな場所に連れて行ってあげたりすることに、焼き餅を焼いているんじゃないか。母は言いたいだけ言うと電話を切ってしまう。いつものように。そして翌日にはきれいさっぱり内容も気分も忘れてしまうのだ。

 「こっちに移ってきなよ、一緒に住もうよ、母さんが心配だ」何度もそんな言葉をかけるのに、少しも耳を貸さない。いつも言いたいことだけを言うと、唐突に電話を切ってしまう。いつもぼくの言葉が途中で宙に浮き、出口を探してはそこら辺に漂ってしまう。