シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

なぜか、傷だらけの天使

crimewave2007-03-28

 馳星周とマイミクしているため、彼の日記を流し読みしているのだが、何と古いDVDボックスから「傷だらけの天使」を引っ張り出してきて、見たという話。思わずアキラの物真似「あにきぃ〜」と言ってしまいそうになる、って、彼とは私は10歳ほどの開きがあると記憶しているが、私がリアルタイムにあのドラマを見ていた頃、馳星周は幼かったはず。彼のふるさとの辺りをぼくは知っているつもりだが、彼の書く新宿歌舞伎町とは世界の反対側の果てにあるような土地である。

 雪原を渡る風と、道路に被る荒波、開けた牧場を駆けるかつての競走馬、そしてこれからの競走馬。そして夏には始終霧が出る漁師町。そんな彼がいつ「傷だらけの天使」に出会ったのか、少し興味を覚えてしまった。

 私はと言えば、レーザーディスクをこつこつとDVDに移す作業をやっている。私の持つ「傷だらけの天使」は、大きなLDボックスセットの方だ。DVDセットへの買い替えを考えたときには、既にプレミア価格がついていて、もうどこにもまともな値段では売られていない。LDをDVDにせっせとコピーしようか、と考えたのが先週のこと。ネットを漁って、やっぱり倍以上の価格になっていて、とても手が出せない状態であることを確認したのも先週のこと。

 こちらもこつこつと建設中である読書録のwikiジェイムズ・クラムリーのページを作ったのが昨日のこと。クラムリーをぼくに執拗に勧めてくれたのが、馳星周であったこと、今や終わろうとしているニフティのフォーラムで毎日のようにチャットを彼とやっていた頃、飲んだくれながら真夜中まで、好きな本の話をしていた頃、そのあたりのことを昨夜まさしく書き込んだばかりだった。

 フォーラムが終わることは、もはや私にはどうでもいいことのように考えようとしていたはずなのに、いざ終りが刻々と近づいてみると、人生の半分くらいを費やしてきたいたフォーラム活動のあれやこれやが様々に思い出され、改めてとても寂しい気持ちに駆られてしまうという思いがけない事実が、ここ数日の私を捉えて離さない。

 古い「傷だらけの天使」が伝えてくれた不良少年たちの捩じくれた純潔を、未だに心のどこかに熾火のように抱え込みながら、都会のノワールを書き綴っている作家の、あの頃の苦悩の横顔については、パソコン・フォーラム真っ盛りの一時代におけるある種のアクセントとして、私には忘れられない思い出の一つである。