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診療台で3時間

crimewave2007-03-27

 歯科医院の診療台で3時間過ごした。最近歯に問題が生じていて、今日はその問題が限界に近づいたため、午後半休を取り、ついに決断して、鬼門と言える歯科医に向かったのだった。持てる勇気をフルに絞って。

 3時間過ごした中で、歯科医師の治療はほんの15分ほどだったろうか。残りをほとんど歯科衛生士による処置で費やした。若い女性なので、経験が薄いのだろう、時にやり直しては諦めたりした挙句に年長の歯科衛生士のアドバイスを受け、別の方法を取ることにしたのだそうで、これでまた長い時間をとった。口を開けた状態が長いのも疲れるけれど、それ以上に、待つ間も、治療用ライトが視界のうちでぼやけてきて、意識がなくなりそうになる。眠気との闘いが何より辛かった。

 それでも3時間もの間、必死になって、出来の悪い私の歯のために仕事に打ち込んでくれた若き歯科衛生士には感謝の念が湧き出てくる。世には様々な仕事があるけれども、3500円の治療代で1時間半も全力で私の出来の悪い肩を揉み解してくれる指圧師に、最近ありがたみを感じていたばかりだった。今日はそれを越える3時間だ。3時間を、2500円(保険が残りの7割を負担してくれるとは言え)の治療代への対価として、甲斐甲斐しく真剣に私の出来の悪い歯科的問題に取り組んでくれたことに対しては、やはり並々ならぬ感謝の念を覚えてしまうのである。

 そう言えば北大歯学部に入院して全身麻酔で手術を受けたときにも、看護婦、歯科医師、麻酔医を初め、多くの医療スタッフに私の出来の悪い顎の骨を面倒みてもらったのだった。日頃の行動で、私というたった一人の出来の悪い人間のために思い切り何かを尽くしてくれる人がいるという事実を感じずにいるだけに、改めて、人は一人の人間のために誠意を尽くして取り組む、そのような仕事があるのだということを思い出させてくれたのは有難い。大袈裟かもしれないが、自然に湧き出る感謝の思いを噛み締めると、明日からも自分なりに一人一人の困っている人間のために自分の天から授かった仕事を役立ててゆかなければ、という一応最低限の気持ちくらいには着地できるような気がする。

 あまりに、まっとうすぎて、改めて言うのが少し恥ずかしいくらいなことだけど、だからこそ、なおさら、改めて……。