富良野への不思議な道程
昼前に出た札幌は高曇り。道央道を北上し、岩見沢あたりで猛烈な吹雪に会う。隣町の三笠で降りると雪が熄み、桂沢湖への峠を抜ける山道は、陽光の下で眩いばかり。乾いた道路を富良野に辿って、14時を過ぎた頃から密度の濃い雪が降り始め、乾いていた道路にみるみる雪が積もってゆく。
17時過ぎまで某所で話し込み、帰途に着こうとするが、雪はさらに積もっている。峠を登るうちに、雪は熄むが、乾いていた道路はすっかり雪に覆われ凍結している。峠を三笠の側に越えて行く頃、分厚い雲が割れて、宵の明星が輝く。その下に鋭利な三日月。雪は熄み、そこから札幌へは澄んだ空気が続き、地平の果てにいくつものスキー場のナイターの光が、宇宙船の発射台みたいに空を目指して縦に並んでいるのだった。
ディック・フランシス『再起』読了。