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神話的ギタリスト

crimewave2007-01-12

 竹田和夫スタジオ・ライブONE AND ONLY。何と古い神話的ギタリストが初のDVD映像となった記念すべき一枚である。たったの60分の映像の中に、竹田和夫という人のギター史がしっかりと詰まっていて、泣ける。ともかく泣ける。あなたは、ギターで、泣いたことがありますか?

 ジャズ化は今に始まったことではなく、クリエイション時代にだってジャズが組み入れられていたんだけれどいきなりジャズで始まり、その後ロック魂が高まってゆき、最後は、これ以上ないほどのアコスティック・インストゥルメンタル・バラッドで締める。贅沢だなあ。

 プロデューサーはこれも神話的ギタリスト洪栄龍。二人のツイン・リードを楽しめたりもする。贅沢だなあ。

 あるスナックで知り合ったワイルド・ワンズのチャッピーさんが、ある夜、いきなり携帯をぼくに預ける。電波の向うには元カーナビーツであり元クリエイションのアイ高野さんの声があった。「えー、ぼくはクリエイションのすっごいファンなんですけど」少し上がりながらそういうと「竹田か……」とアイさんが投げやりな調子で言った。クリエイションと言っただけで、何故竹田和夫のファンとばれたのだろうか、と若干気まずく思った。でも、札幌に来てくださいよとアイさんに言うと、彼は数ヵ月後にそのスナックに現れて、一緒にめでたく「好きさ好きさ好きさ」と「ロンリー・ハート」をカラオケでデュエットさせてもらったのだった。竹田和夫はもちろん現れなかったけれども。

 竹田和夫は日本のミュージック・シーンに断片的に顔を出す人で、そのたびに強烈なインパクトを残して去ってゆく。彼の音楽が日本のポップシーンでは受け入れられにくいことも、彼自身英語圏の音楽を英語で歌い続けるという国際感覚に優れたアーティストだったから。日本で有名になったのは、ドリー・ファンクJrとテリー・ファンクの入場テーマ「スピニング・トウフォールド」くらいだろうが、それとて竹田和夫のギターだと知っている人は数少ないに違いないと思う。

 知る人ぞ知る、そんなギターのカリスマだけれども、彼がDVDになるなんて夢のようだった。このアルバムは若い人たちにも貸しちゃおうかと思う。どんな世代の人が見ても、この無観客ライブ・アット・伊豆スタジオの演奏パフォーマンスの凄さは理解されるに違いない。そして最後には感動を与えられることだろうと思う。