神のお導き、ユング的象徴
数日前の日記に書いたとおり、今回は上京に当たって1977年発行のドナルド・E・ウェストレイク作品『悪党たちのジャムセッション』を持って行ったのだが、このスラップスティック・コメディの中に、硫黄島に関する以下の記述があり、驚愕。
人波にもまれて進路がそれたりしたが、それにもめげずに進み、最後には、硫黄島で旗を立てている写真の中のひとりのように、上方にジャンプしてブルチャーの大きな手から絵をもぎ取った(その硫黄島の写真であるが、じつはあとになってポーズをつけて再現したものだった。当時は、事実と創作の区別をつけるのが困難だった)
『父親たちの星条旗』のモチーフをごくシンプルに説明しちゃったような記述が、喜劇的暗喩のなかでなされているのである。1977年の作品を硫黄島映画二本見たばかりの同じ月に読み、その中にこのような記述があること自体、なんだか神のお導き、あるいはユング的象徴であるとしか思えないのだが。それともぼくの頭が狂ったか?