シュンの日記なページ

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スノウ・ドライブ

 旭川道央道を走る。ずっとずっと雪がうっすらと積もった雪道である。旭川から富良野へ走る。ずっとずっとやっぱり雪が積もって凍結している。富良野を出たのが18時。真っ暗な道路に白く雪が積もり、凍りついている。狩勝峠を下りきって、十勝に出ると道路から雪が消えた。月に照らされた直線道路を高速に乗ったような快適な気分で飛ばしてゆく。

 昔、スキーに出かけていた頃、スタッドレス・タイヤなどはまだこの世に存在しなかった。雪国の人々はスパイク・タイヤを履き、雪の降らない土地に住む人はスキーに行くときにチェーンを積んで走った。ぼくはいわばそのチェーンを巻いていた世代である。寝ずに走らせる夜行運転、吹雪の峠道で両手をこすり合わせながらジャッキ・アップしてはFR車の後部タイヤにチェーンを巻きつけた苦しみを未だに忘れられない。

 チェーンが切れ、手ぬぐいで締め付けて、また走らせ、雪のない舗装道路にさしかかるとまた別の部分が切れる。手ぬぐいを引き裂いてチェーンとチェーンをつなぎ合わせ、そうやって夜中の高速を走ることもあった。

 その頃の苦労ゆえに、スノウ・ドライブに関するハウツー本を買って熟読した。未だにその本はわが書棚に並んでいるが、今では役に立たない。北海道に移住して10年以上が経つのに、この雪多い土地で、ぼくはチェーンを使ったことがないし、揃えてもいない。四駆以外には乗らず、スタッドレス・タイヤを年間7ヶ月くらいは装着している。頭で覚える運転技術から、体感して覚える技術に変えてしまった。

 何度かは、車をくるりと回転させてしまうことがあった。そういうとき、車は滑って後ろを向いて、大抵止まったときにはまたちゃんと前を向いている。そのまま何事もなかったかのように走り出す。北海道ではよく見る光景だ。たまに、不運な事故に繋がることもある。高速道路では多重衝突事故を引き起こす。年齢を重ねると、そうした可能性を頭に置いて走るようになる。また、道路の滑りやすさは、微妙なアクセルの感触からわかってくることがある。危険なときは、緊張してハンドルを握り締める腕に力がこもる。

 この日のドライブは、ほとんどがこうした状況だったわけである。