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壊れる管理職

 日経BP主催の日本イノベーター大賞を、旭山動物園の小菅正夫園長が受賞。「行動展示」という言葉自体がもう既にイノベーションなのかな、と思われる。この動物園は現実的に北海道に経済効果をもたらしているし、何よりも全国から注目される素晴らしい観光の名所を創出したことは凄いの一言に尽きる。道民としては誠に嬉しい限り。

 この記事を伝える同じ「日経ビジネス」の第一特集が「管理職が壊れる」。給料が上がりにくい、仕事が増える、セクハラ・パワハラ、人事考課、責任を押し付けられる……等々で、やる気の失せている管理職がアンケートでは約半数を占めるという。これを見る部下は、さらに……という、効率を求めすぎた企業が実際に陥る悪魔のサイクルという名の罠。

 要は、何でもかんでもMBATOEIC、セクハラやSOX法と、アメリカ文化を持ち込みすぎたり、画一的な人事考課制度を経営コンサル会社から買い込んだり、と出来合いのものを模倣することを最も得意とする日本の器用さが仇になったのだと思う。模倣する文化の悲哀だ。

 かくいう自分もそういう企業で管理職をやっていて、安月給、タフな仕事、無茶難題を押し付けられ、権限はないのに責務は問われる、といった人間ジューサーミキサーみたいな場所で働いているのだけど、一時代前の管理職が感じていたという「仕事のやり甲斐」の方はおかげさまでしっかり持っているつもり。
医療や介護というヒューマン・ビジネスに携わっているから手を抜けないということもあるけれど、それ以上に北海道という土地を開拓し、何らかの航跡を刻みたい気持ちが強いのだと思う。

 できることなら、もう終わってしまったあのNHKの『プロジェクトX』に出たかったよね、とは取引先などと呑んだ席でよく出る会話だが、冗談のなかにも一瞬の真剣な眼差しが交わされ合ったりして、それなりに大志を抱きあっていることが確認できたりすると、わくわくしてきたりもする。

 でも同時に眼の腐った管理職が同じ社内に沢山うろうろしていることも知っている。職場にネガティブな影を落とす人たちだ。仕事のやり甲斐よりも、楽をしたいという要求に勝てず、部下や上司をこれでもかと裏切り続けてやまない輩だ。最近はこういう人への対処法がなくって困る。退職強要も皆の前での怒鳴りつけも、どれもこれもパワハラに該当する。一方では当の管理職の部下から直截な怒りを持ち掛けられたりして、若い人間たちもどんどんモチベーションを下げてゆくのを眼にしてしまう。しかし、策はなく、本当に困り果てる。昨今の管理職は、身動きも取れず、ますますストレスがたまってしまうわけである。これならむしろ周りと一緒に壊れてしまった方が健康上はよいのかもしれない。