シュンの日記なページ

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南魚沼路

crimewave2006-11-04

 いろいろな名前のついた町だった地名が町村合併で、いつの間にか南魚沼市になっていた。それぞれの町に有名どころの酒蔵があってそれなりに全国ブランドになっている町名であることを思うと、ちょっと残念。

 山をやっていた時代に散々訪れたのが、蓬峠を下ったところの土樽の駅。黎明山の会が昔岩壁のルート開拓を集中してやっていた足拍子・大源太の麓、酒を酌み交わしたテントが懐かしい越後中里の駅。吹雪の単独行でちょっと命の危険さえ感じた一日が、今も強烈に懐かしい八海山。尾瀬に向けて長い縦走をした巻機山では、日射病の女子高生の姿が痛ましく、下山後にその訃報に接しショックだった。悲喜こもごもの思い出が詰まったこの土地に、高校時代のクラスメイトたちを乗せた車を走らせ、陽だまりを辿っている今日という時間の中で、回廊のような人生の不思議を感じている自分がいた。

 清津峡という名の通り、本当に清明で美しい水の流れる峡谷を、皆で歩いた。長いトンネルを歩き、ときどき顔を出す展望台から、間近に迫る柱状節理の岩肌になじんだ紅葉と、青く流れ行く澄んだ水の迸る音に心を痺れさせ、ため息をつく。

 「そばまつり」をやっている山あいの食堂で、山菜そば、きのこ入りけんちん汁といったえもいわれぬほど美味い昼食を頂く。昔のような懐かしい山里の風景の中で、昔の仲間たちと、昔のようなピュアな笑顔を交わしている。陽射しが暖かく、これから来る冬を忘れさせてくれるような穏やかさだ。この人たちと一緒にいる限り、やはりどこまでも優しい一日が続くのだった。やがては現実、そして現在という時間に帰らなければならないこの一瞬の一日が……。