シュンの日記なページ

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暴風のオホーツクにて

 午前中に中川まで南下。最初はポンピラ・アクア・リズイングという温泉に浸かろうと思ったのだが、父子相談の結果、夕方にクッチャロ湖畔のウイングという温泉に入ろうと、道の駅にてゆっくりすることにする。イチゴのドライフルーツを買い込み、口に頬張ると、かつて山でばてた時に元気を回復させてくれたプラムやアンズに似た強烈な甘みが蘇った。

 昼には稚内にて。流華のラーメンは定番だが、数年前に酔った挙句の真夜中に飛び込んで食べた塩ラーメンの味が忘れ難く、庄内食堂なる店に飛び込む。酔っていたとはいえ、記憶は確かだった。今回は醤油ラーメンを食べる。東京ラーメンを油多くして熱くしたイメージ。強風に冷え切った体には非常にありがたい食物なのだった。

 喫茶お天気屋にこれも定番で立ち寄り、マスターの松ちゃんと挨拶を交わし、ずらりと並ぶ手塚治虫の昔の漫画を息子に読ませ、美味しいフレンチローストのコーヒーを啜る。ここの店は昔懐かしいサイフォンでコーヒーを淹れるのだ。

 声問の海岸から空港横を抜けて、二日前には零下を記録したという沼川経由で、浜猿払に下ると、オホーツクの海は、これまでの人生で見たこともないほど最も凶悪に荒れ狂っていた。このあたりは真冬には流氷着岸の北限に当たる。いつ見ても大自然が人間をあざ笑っている、とても迫力に満ちた世界だ。

 クッチャロ湖畔には、マガンの代わりに、海から避難してきたカモメたちが、皆で同じ方向を向いてじっと風に耐えている。不思議な光景である。

 泉質が別府なみという岸辺の温泉ウイングの風呂に浸かり、それからトシカの宿に投宿して体を休める。サーモンのパイ包みに手作りトマト・ケチャップをかけてクラシック・ビールとともに腹を満たす幸せ。毛蟹もホタテもイクラも。旅人同士の会話に花が咲く夜。今日は夫婦一組と一人旅が二名。寡黙にブラックジャックの読破に取り組んでいるのは、うちの息子くらいなものだ。

 ぼくも本を読んだり酒を呑んで話に嵩じたりと、楽しい夜を過ごす。強風は徐々に威力を失っているように感じられた。