からだの耐性
朝、起きた途端に、ここのところ風邪気味で微熱に悩まされている体調が、最悪な状態であると感じた。37度台半ばには最低でも達しているだろうと思われる発熱を、体温計なしでも意識できる。そんな中で、重要な会議のために東京本社に飛んだ。
東京の会議室は冷房が効きすぎて辛かった。夜まで続く会議のなかで体は冷え切った。夜には急に宴会の予定が入り、ビールとワインをつきあった。夜中近くにホテルに入り、ベッドにもぐりこんだが、人間の体はどこまで耐えられるようにできているのだろう。
過労で死んだ友達が何人かいる。出張先のホテルで心筋梗塞になった友達も何人かいて、生還者は一名しか知らない。生き残った友達は、酒、煙草、コーヒーを好きだったが、そのすべてをやめた。
ぼくは血圧の治療を続け、ほっておいたら上がってゆく尿酸値を薬でだまくらかして生きている。それでも風邪で熱のある日に、飛行機で東京に飛んで、慣れない冷房にさらされ、夜には少なくないアルコールをたんまり体に注ぎ込んでいたら、本当にどこまで耐え切れるんだろうかと心配になってくることだってある。どこかでぷっつりと風船の糸が切れるように、命を繋ぐ糸が切れて、そのまま幽体離脱かなんか起こすんじゃないだろうか。
子供のことでも考えて、そんなことのないように、祈るしかないのが、サラリーマン管理職の辛いといえば辛いところだ。