『レッド・ドラゴン』
もともと『刑事グラハム』という名でマイケル・マン監督の作品だったものを、売れに売れたアンソニー・ホプキンスのハンニバル・レクターのシリーズでリメイクしたかったのだろうが、オリジナル作品がまず問題なく思いのほかきちんとしたまとまりのよい作品であるだけに、新作のほうは、『ハンニバル』のリドリー・スコットの重たい雰囲気を中途半端ながら引き継いでみているよ、といったところか。レクターの存在感がもちろんホプキンスによってアップしていることと、エドワード・ノートンがやっぱり一流の演技者なので得をしている、と言ったあたりか。でもオリジナルのウィリアム・L・ピーターセンの存在感もけっこう素晴らしいから、何とも言えない。総じてどちらも原作に助けられたB級映画であることは間違いないのだけれども。