シュンの日記なページ

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『ストレイト・ストーリー』

 以前から気になっていたデイヴィッド・リンチの唯一のまとも映画である本作をようやく見た。時速8kmのトラクターで、500km離れた兄を見舞いに出かける73歳のおじいちゃんの話だ。両手に杖をついてしか歩けないおじいちゃんが、車の免許もないから、唯一の自動的移動手段であるトラクターを使うという発想が、いかにも実話に基づいたものらしい。

 今では電動車椅子というものが介護保険適用でレンタルできるので、これであれば時速4kmくらいで身の回りの散歩に役立てることができるのだけど、トラクターは何せ寝場所である改造トレーラーを引っ張ってゆけるところが凄い。このアクティブさと独創とを日本の厚生労働省介護保険関係者は全員この映画に学ぶべきである。

 歳をとると、一番分かり合えるのは、何よりも歳の近い兄弟だとおじいちゃんが呟くシーンだが、四つ下の弟を亡くしているぼくには、個人的な思いもあって込み上げてくるものがあった。独りで見ていて助かったと思う。