シュンの日記なページ

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今さら『ラスト・サムライ』

 ずっと見そびれていたDVDを、昨夜決めた、平日の夜でも映画を一本くらい観ることができる法則にのっとって、今夜は見た。早い時間に帰宅したので、長めの映画でオーケー、という意味だったが、やはりメイキングも含めるととても長すぎて、結局は真夜中を越えてしまっている。

 海外の製作者が作った日本映画という、日本文化の暴力的、偽善的な解釈は、舞台となる村とそこに君臨する反乱者と天皇との関係など、あれこれいびつで安直な形にやっぱりしっかりと表れている。どこか『隠し砦の三悪人』に似た地形の村であるように見えるけれど、維新後、独立国のようにこうした小宇宙があるというのは外国人の脳味噌の想像力なのだろうな。

 侍を土方歳三に設定し、題材を五稜郭戦争にしてしまえば、より現実の歴史物語として存在感が確保できただろうに、まるで中世ファンタジー映画のように幕末から維新への流れを捉えてしまったところがとても残念だ。とは言え、アクション活劇としての出来栄えは一級品である。CGに頼らず実写での戦闘シーンをスローモーションで表現することで、悲壮感を込めたメッセージ性の強いサム・ペキンパーのカメラ・アクションを髣髴とさせる。他にもアクション・シーンのすべてが美しく、これが海外の振付師によってなされたものであるところが若干悔しい。

 それにしても小雪が、非常に美しい。日本女性らしからぬスレンダーな体系でありながら着物を自然に着こなし、トム・クルーズ相手に遜色のない存在感を示している。何よりも物言わぬ表情だけの演技力に感服。

 それにしてもいやはや凄まじい予算を投入した映画なんだろう。そう思うと、ハリウッドの映画事情は、やっぱり羨ましい!