シュンの日記なページ

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霊場を越えて

 八戸まで東北道を走り、いよいよ下北半島へ。そろそろエアコンがなくても、窓からの風だけでちょっと肌寒さを感じるようになってきた。

 六ヶ所村の核燃料処理施設を通過し、むつの手前で手打ち蕎麦屋に入る。蕎麦が出てくるまでに船が出港しちゃうんじゃないかと心配されるほど、長い時間がかかる。ざる蕎麦ってそんなに作るのが難しかった? 隣の姉妹は、蕎麦粥と鴨せいろに追っかけの蕎麦(大盛りみたいなもの)まで追加してもりもりと食べている。それでいてずっとずーっと健康によいサプリメントやらマッサージの話をしている。女という生き物のことは、ぼくには、やっぱりよくわからない。

 さて、むつまでは恐山霊場という道路標示が途切れもなく続いていたのだが、むつの町で銀行やガソリンスタンドに寄っているうちに、目の前に見えている恐山にどう行っていいものか、すっかりわからなくなり右往左往する。ようやく小さな道標に行き当たり、山の中に入り込んだ。

 恐山霊場は、思いのほか明るく綺麗な場所であった。人間の宗教活動がここで営まれなければ、とても風光明媚な自然遺産みたいな場所だったのだろう。今では人間の妄念や生への未練やらこもごもの恩讐を一手に預かる宗教法人の金のなる地である。青く綺麗な湖の一端に太鼓橋がかけられ、三途の川との看板が掲げられている。硫黄臭の立ち込めるカルデラの溶岩堆積帯のそこここに石が積み上げられ、石には個人の名前が書かれ、カラスがそこに着地してはけたたましくなきわめいている。

 立派な寺と立派な山門が鬼の顔をした仁王に守られている。

 陽が差してとても暑く、息子と自動販売機にするか、それとも店を出している合掌霊場ヨモギアイスにするかと、聞くと、霊場アイスなんか嫌だよ、と即座に否定するので、自販機でデカビタを買ってあげた。

 本州最北端の地、大間に走り、函館行きのフェリーに乗ったのが、16時半。一時間半で函館に着き、夜には湯の川グランドホテルのけっこうちんけなバイキング(チャーハン、カレー、焼きそば、ハンバーグ、エビフライなど)を腹にこれでもかと詰め込んだ。