本当の死のグループ
誰もが死のグループと目していたCグループではアルゼンチンとオランダが早々と戦前の予想通りに抜けてしまったが、本当の意味での死のグループは、実は、こちらEグループだった。蓋を開けてみれば、凄まじいことに……!
グループE チェコ 0-2 ガーナ
ガーナ、恐るべし。アフリカのリズムとテンポで、先制点を魔力に変えた。魔力がいつまで持つかと興味深々で見ていたが、魔力はラスト・ホイッスルまで持ちこたえた。チェコは、いいところがまるでなかった。ラストのネドベドのヘッドがオフサイドでなかったら試合は逆の流れになったろう。あらゆる意味で、運命の糸を引き寄せたのはガーナの戦士たちだった。表情が、本当に闘いの神のようだったこのイレブンが、このグループの残り一試合を、熱いものに変えてしまった。チェコはそれにしてもこの大会の期待のチームだっただけに残念。
グループE イタリア 1-1 アメリカ
イタリアの出来が本来のものとは思えないくらい悪い、ということを差し引いても、アメリカはやっぱり息を吹き返したとしか言いようがない。やはり初戦で負けたチームは後がなく、捨て身で勝負を賭けてくる。事前に十分にそのあたりを計算し、精神的に油断を持たず、闘志をウォームアップしておかないと、こんな風に次の試合結果次第でどのチームにも決勝トーナメント進出の可能性が残ってしまう、という大事件になる。両チーム合わせて3人の退場。最後の退場は、これまでの大会風景からすると基準が少し厳しすぎたような気がするので、アメリカが少しだけ気の毒だったが、何せ双方にとって耐久レースみたいな試合だった。次にどう響くか、大変に興味が沸く。