王国の終焉
グループC アルゼンチン 6-0 セルビア・モンテネグロ
ユーゴといえばレッズサポが思うのは、何をさておいてゼリコ・ペトロビッチだ。さらに名古屋で選手としての晩年を終えたピクシー。その強かったユーゴが陰りを帯び始めたのが、ユーロ2000の大会だったろうか。ポルトガルに惨敗したのではなかったか。ドイツもそのときは最悪だったと記憶している。しかしドイツは建て直し、ユーゴという国はその後解体に解体を重ねた。6つの民族が集まるユーゴの一つ、セルビア・モンテネグロは、セルビアとモンテネグロの二つの国家にさらに分かれるにも関わらず、このチームはW杯への駒を進めてきた。
このアルゼンチンとの対戦で、東欧のブラジルといわれ隆盛を誇ってきたサッカーの歴史は幕を閉じてしまった。悲しくも、惨敗というかたちで。
アルゼンチンのサッカーは、今大会ではチェコと同じくらいの最高レベルで仕上がった組織サッカーだった。容赦なく、とてもファンタジックにこの試合を戦い切った。
巷では日本戦にばかり注目が集まるが、ワールドカップの醍醐味は、日本など置き去りにして、高いレベルのチームを中心に疾走を続けている。