カウンター・レンタル

　ロイトンで仕事がらみの会合。帰途、いつもの麻生の焼き鳥屋に立ち寄る。カウンターに座るなり、隣の兄さんにハップとレナードのシリーズを貸し出す。何しろテックスメックスが大好きなんだそうだ。テックスメックスとはテキサスとメキシコの国境で生まれた音楽がそのまま料理だのカルチャーに使われるようになった言葉なんだそうだ。隣のお兄さんは、そのあたりに三年ほど住んでいたことがあるそうで、映画なども『コンボイ』や『ガルシアの首』などに溺れている口である。

　『コンボイ』のDVD他、『スペース・カウボーイ』なそイーストウッドものと、お兄さんのオススメの映画について今度この店に持ってきておくとのことだったので、今度はこちらが借りる番だ。

　ちなみにカウンター越しにマスターともよく本のやり取りをする。マスターは国産小説しか読まないから、今度は垣根涼介や馳星周の新刊を持っていってあげようと思う。最近のマスターのお気に入りは雫井脩介なのだそうだ。作家の名前といい、タイトルといい、この人が本を思い出すのに毎回、何日もかかる。よく雫井脩介なんて難しい名前を覚えてきたものだと思う。よほど気に入ったに違いない。