おでん屋から焼き鳥屋へ
仕事帰りに呑みに行くには一旦、通勤で使っている車を置いてから、出直さねばならないので、なかなか平日おいそれと呑みに出ることができない。
でも今日のように車を置いてタクシーで街に出直すこともたまにはある。ぼくの行きつけの店は、冬場はおでん屋、夏場は焼き鳥屋に変化する。多少の変動はあるけれども、大抵4月になれば、おでんの場所は焼き鳥用の炭焼きコーナーに取って代わる。
会社の部下を連れてこうした焼き鳥屋のカウンターでビールを呑み、焼き鳥の串を持ち上げている時間というのは、貴重だ。車を置き、タクシー代を余計に使って、敢えて出かけてくる価値をこんなところに見出すかどうかは、その人の価値観によりけりだとは思うけれども。赤提灯に引き寄せられてやまないぼくの、これは一つのささやかだが正当な価値観の賜物ではあるのだ。