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ロンリーハート

 アイ高野が今月に入ってすぐに亡くなっていたと知る。急性心不全という病名は、実はなんにでも使えるもので、実際にどのように亡くなったのかはわからない。

 アイ高野を最も好きだった時代は、クエイリションの時代だ。カーナビーツ、ゴールデンカップスと、渡って、ほんの一瞬だがゴダイゴにも所属していた、とは本人と酒を呑んだ夜に聴いた話だ。

 クリエイションの時代には、松田優作主演、工藤栄一監督の『ヨコハマBJブルース』で、優作扮するロックシンガーのバックバンドをクリエイションがつとめていたし、これはそのまま優作ライブなどでも入れることだ。確か、原田芳雄がブルース歌手を一時的にやっていたときのバックバンドもクリエイションではなかったか。武田和夫のギターと、ツインドラムに、何よりもアイ高野のハスキーボーカルが売りだった。

 日本テレビの人気ドラマだった『プロハンター』は、『大追跡』のメインキャラであった藤竜也扮する横浜署の水原刑事が警察を辞めて、草刈正雄扮扮する若者と、私立探偵事務所を開いたという設定だった。そのテーマ曲がクリエイションの「ロンリーハート」で、これは未だにどこのカラオケにも入っているクリエイション唯一のナンバーでもある。同名アルバムのトップを飾るのが「キャリーオン」という曲で、CSN&Yのヒット曲とはまるで別のナンバーだが、これがぼくは好きだった。それをアイ高野は実に喜んでくれた。

 カラオケで、アイ高野と二人で歌ったのが、『好きさ好きさ好きさ』と『ロンリーハート』だった。音楽は、細々とでいいから、ずっと続けなよ、と言うアイ高野は、往年の影などどこにもなく、痩せ細ってとても具合が悪そうだったし、だいいち肝臓をやられているらしく、酒が全然呑めないのだった。

 日本で最もハードボイルドに似合ったバンドは、クリエイションとSHOGUNだと、ぼくは思っている。日本のバンド史に名を遺した雄である。アイ高野よ、永遠なれ。