メインストリートへ
昔、麻生界隈にあったカレー屋である「S」が、すすきの交差点からも近い駅前通りに移転し、とても繁盛していると聴いていたが、今日、やっと3年ぶりくらいの「S」のカリーに再会することができた。
店はなるほど昼どきということもあり、とても繁盛している。かつてあった店は、石狩街道沿いの交差点で、車を駐めるには少し難しい三角形の駐車場だったためか、女性客なんてほとんどカップル以外は寄りつかなかった。広くくつろげる店内に数組の客で、ぼくも大きなテーブルを独占して、ゆっくり本を読みながらパキスタン・カレーに舌鼓を打ったものだった。
パキスタン・カレーはスタンダードなルウ・カレー。スリランカ・カレーはスープ・カレー。二人の調理人がそれぞれ二つの国で実際にカレー屋に働くなどして修行した上で、和風の出汁を加えて、日本人の舌に合わせたもの、とはラジオ取材のときに聴いた話。
スープ・カレーが札幌の外食界を席巻するようになる少し前の時代にこうした店をやっていたとは先見の明か。
さてメインストリートへ移動なった「S」は、果たして沢山の女性客、若い男性客、そして近所のサラリーマンなど、多くの雑多な通行人を集めて賑わっているのだった。女性が独りで入ってきて、「マグナム357で、ご飯大盛り」などと注文している姿は、何だか不敵だ。
そう、この店は、BB弾から始まり、銃弾の大きさで辛さの度合いを表示しているのだ。ぼくはマグナム44のチキン・ベジタブル。もちろんパキスタン・カレー。投入されている鶏肉がタンドリー・チキンで、きちんと下味がついているところは、他のスープ・カレー専門店にはあまりない特徴であると思う。
矢田亜希子似のウェイトレスの顔が見えないところがちょっと残念だった。この人、ぼくの知人の友人なのだそうだ。今度は、その方と再会を果たしたいと思っている。向うは全然覚えているはずがないとは言え……。