シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

猿の会

 昔、別の会社、それも東京の職場で働いていた自分から、世代の違う申年の人間だけで猿の会というのを月に一遍だけ開いていた。主に会場は神田駅前の路上にまでビニールを広げた焼肉屋であった(今はもうない)。別に申年だけが申し合わせて呑み始めたのではなく、部署などの違う中でたまたま気の合った男女が四五人で適当に飲んでいたら、世代をひとつふたつ超えながらも、全員申年だったわけで、これは猿の会としようと言ったものだった。そのうち若い世代の男女は一組世帯を持ってしまったから、猿の会も少しは実益をもたらした部分があったわけだ。

 猿の会だな、と気づいたのは、東京森下の駅付近でモツ煮込みを突き、その後、ビリヤード&ダーツ・バーで夜中まで呑み続け、タクシーで四人の男がそれぞれ別れてからのこと。前は四人とも同じ会社だったけれど、今は全く別の会社であり、ぼくは仕事を絡めて、彼らに会いに出かけたのだ。

 そういえば、以前東京在職時代に、営業の仕事が終わって、事務所でダーツを投げながらビールを呑むのが流行った。コンプライアンスなんてことばを、企業人がまだ誰も使っていなかった、風流な時代だ。呑んで回って事務所に戻ると、そのまま社長室で毛布や寝袋を広げて眠った。時には営業者の荷台で冷房を効かせながら。

 そんな頃の仲間と四半世紀の時を隔てて、東京下町、場末のダーツバーで、酒を呑んでいる不思議な時間、という奴だった。どんな時代も大切に生きてゆけば、人生の後々まで、楽しみを取っておける。しまいこんでいたおもちゃ箱をずっと後になってひっくり返し、ふたたび遊びだすことだってできるのである。