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鬼ごっこ、かくれんぼ

 ミステリ評論家・吉野仁氏の日記のなかで、鬼ごっこ小説という勝手ジャンルを決め、いくつかの作品を紹介しているのだが、ジャンルというものもモノの見方という方便で使うと、かくも愉快なのか、と目が覚める思い。
 
 自分でもいろいろ考えたが、ジェフリー・ディーヴァーリンカーン・ライム・シリーズなどは鬼ごっこではないのか? と思ったが、これはかくれんぼ小説なのかもしれないなと思いなおした。鬼ごっこは姿が見えていても追いかけ、逃げる遊びだが、かくれんぼは隠れ場所がわかれば「見ーっけた!」でおしまいだ。そういう意味では、『ジャッカルの日』も正体がわからないからかくれんぼ小説なのかな? ロード・ノベル的面白さはあるけれど。それとも『ジャッカルの日』や『針の眼』は読者が正体とその行動とを知っているから、やはり鬼ごっこなのか? まあ、無理やり当てはめる必要はないのだけれど。

 鬼ごっこで思い出すのは映画作品ばかり。『明日に向かって撃て』『ワイルドバンチ』などはそれに近いし、ジャームッシュの『デッドマン』も。西部劇は基本的にロードムーヴィーの要素が強いから鬼ごっこ系なのか? ペキンパ監督で思い出したが、ジム・トンプスンゲッタウェイ』は立派に鬼ごっこ作品ではないか。

 ノワールはと思いを馳せるとどれも追跡者の影が見えない逃亡者の物語が多いような気がする。自己破滅の物語が多いのだから仕方ないのか。