北国の葬儀
昨夜、家族が帰省から帰ってきているのだが、ぼくがススキノから戻ったのが真夜中だったからまだ会っていない。そして朝イチで手稲で取引先の葬儀があるので、まだ家族に会えないうちに、独り家を出る。
よく晴れた葬儀場。札幌はほとんどセレモニーセンターなどよくできた施設で、合理的に葬儀が行われる。参列者はパイプ椅子に座って、どこか外からやってくるお坊さんたちのお経を聴き、シンセサイザーの美しい音色のなかで棺に花を手向け、親族たちが最後に釘を打ち、野辺送りに大型バスで棺と共に向かう。棺はストレッチャーに載せられて運ばれるから、親しい者たちに担がれてゆくのでもない。雪、冬、を考慮してのものだろう。
埼玉ではたいていが自宅で葬儀を執り行っていたものだから、この感覚の差には、結婚式ともども驚かされる。
合理的な葬儀から帰ると、一週間ぶりに会う息子がすぐに飛びついてきた。
お昼にはチャーハンを炒めた。今週の独り暮らしで、すっかり台所に立つ癖がついてしまった。
息子の冬休みが終わろうとしている。午後には文房具屋に一緒に出かけ、工作材料を買う。宿題をあわてて片付けはじめようという魂胆らしい。