鹿の骸、小さな馬
昨日と同じコースでとりあえず道東道を目指すが、山越えの峠道で、追い抜いた四駆車の二台に大きな荷物が見える。よく見ると、空にそそり立ったエゾシカの日本の角。その下にガラスのように生気のない二つの瞳。大きなエゾシカの骸が、四駆車の荷台にくくりつけられているのであった。ハンターのシーズンか。
雪の曲がりくねった道路と大自然……映画の『ディアハンター』みたいなシーンだった。
芽室ジャンクションから広尾方面に向かう。天馬街道と名づけられた日高への峠道を下りてゆくと。小さな馬体のサラブレッドたちが、牧柵の向うで戯れている。昨春に生まれた赤ん坊が、今の時期だとこの程度の大きさなのだろう。大きな馬の中にあって目立つ存在だ。
そういえば銀世界の中で、牧場によっては、馬たちがチャンチャンコのような防寒着を馬体に羽織っている。馬たちの吐く息が青空に白く溶け込んでゆく。